ニュージーランドのスーパーマーケット事情

マオリ系、ヨーロッパ系、ポリネシア系、アジア系など実にさまざまな民族的出自を持つ人々が暮らすニュージーランド。多彩な文化的背景は、服飾や雑貨はもちろんのこと、食事や食品、嗜好品にも如実に反映しています。

毎日の暮らしを支えるスーパーマーケットも多種多様で、買うだけではなく見るだけでもとても楽しく興味深いものです。

まずは、一般的な大型スーパー。山積みの野菜、牛豚鶏に加えて鹿肉やヤギ肉、乳製品、冷凍食品や飲料、お菓子、日々のちょっとした雑貨など大抵の物が揃っており、みんな大きなカートを押して次々に商品を入れていく様子は「いわゆる外国のスーパー」の典型でしょう。こうした一般のスーパーにもオーガニックの野菜やフルーツ、乳製品、調味料、粉製品などが置かれており、気軽に購入することができます。また、Internationalコーナーには、日本のお醤油や味噌、海苔やチューブわさび、うどんやそばも置いてあり、日本人人口が少なくても、日本食が受け入れられていることがうかがえます。

オーガニック商品を主に扱うスーパーや高級食材や食品を主に扱うスーパーも人気です。野菜や肉などの生鮮品だけではなく、コーヒーやハーブティー、パスタもオーガニック製法のものが中心に販売されている他、一般のスーパーでは販売されていないタイプのオリーブオイルやビネガー、ワイン、チーズ、ハムやソーセージ、クッキーやジャムなどハイクオリティ食品や高級輸入食品が並んでいます。素材や製法にこだわりのあるメーカーの商品も多く、食に対するアンテナ感度の高い利用者が多く集まります。

そして、ニュージーランドでもっとも特徴的なのが「エスニックスーパー」ではないでしょうか。一般的なスーパーでもある程度のエスニック食材は手に入りますが、さらに特化したスーパーが数多くあるのです。中華系スーパー韓国系スーパーでは、アジア圏全般の食品や日本でもよく使う食材である、大根、ごぼう、かぶ、やまいも、それに冷凍の納豆やれんこん、サトイモなども販売されています。日本食スーパーにおいては、日本とほとんど品揃えが変わらないほどの充実ぶり。スパイス香るインドスーパーをはじめ、イギリス、地中海、アルゼンチン、ギリシャなど食品スーパーが各地に点在しており、あらためてニュージーランドが他民族国家であることを感じます。